制服のビロキン

関東鳥屋の時系列崩壊ブログ

多摩川のヒメハジロ

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ヒメハジロ(2023/1/28 東京都 多摩川

 

この冬、最も話題になった鳥といえばこの個体だろう。少なくとも2ヶ月以上は滞在し、出現場所が駅近・広い河川敷・トイレあり等々の条件が噛み合い、近年の珍鳥としては珍しく、みんなで楽しみやすい状況だったように思う。かねてから見たかった鳥だったこともあり、自分も3回見に行った。

 

最初に見に行ったのは12月11日。始発で現場に向かう。情報を知ってから数日経っていたが、ちょうどそのタイミングで自分は東京を離れていたため、出先から友人やネットの情報で滞在を確認して安堵する、という時間が続いていた。いざ到着し、はやる気持ちで川面に浮かぶオオバンを流していると、遠くに一際小さくて白いカモが潜水を繰り返していた。喜びや興奮より安堵の方が大きかった。

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(2022/12/11)

それからはのんびりと観察、撮影に興じる。比較的近距離で見られたが、ヒメハジロの動きに合わせて人の群れが大移動するので、それには流石に多少警戒しているようだった。とはいえ、水中を泳ぐ様子まで見える機会は滅多にないだろう。オオバンと行動することが多く、頻繁に潜水を繰り返していた。餌は一応藻を食べているような様子は見られたが詳細不明。陽が出てくると、構造色の頭部がとても鮮やかだった。頭の形状やフォルムも、状況で結構変わって見えた。

 

その後2度見に行ったが、年明けくらいにはかなり人も減り、良い現場であった。他の鳥も多く、イカルチドリハイタカなどがよく見られた。特にセグロセキレイの観察が楽しかった。また、12月は他のカモは少ない印象だったが、1月28日に行った際は、オカヨシガモハシビロガモコガモなどが計数百羽見られた。

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(2022/12/15)

 

ネット情報によると、本個体は2月中旬に姿を消したらしい。無事に繁殖地に辿り着いていることを祈る。